トロントで飲んでみた東ヨーロッパのワインたち9種類。
オンタリオの酒屋さんLCBOはかなり幅広い国からワインを輸入しています。
特にヨーロッパの東側のワインをあまり飲んだことがなかった(見たこともなかった国も…)
私としては色々試せて実に楽しかったです。
日本でも探せば手に入るし大した話じゃないのですが、私の備忘録として日記にします。
ブルガリア・Lovico Gamza Suhindol 2015
ブドウ品種 :Gamza
価格 :14CAD
初のブルガリアワイン!
開けたては味ガチガチ、失敗したかな~と思うも翌日への期待を込め放置。
2日目、少し丸く柔らかい印象になった。でも試してから決めれるなら買わない。
美味しくないのでまた放置。
3日目。角が取れて良い熟成感とスムースな飲み口が出現!
酸味、甘味、コクなど全てバランス良くあるよう感じます。
昨日まではライトワインに感じてたけど、改めてじっくり味わうとボディもある。
こんなに時間とともに表情を変えてくるワインは珍しいです!
このワインのGAMZAというブドウ、見かけたのすら初めてでした。
ブルガリアではガムザですが、カダルカという呼称が一般的なようです。
Wikiでは原産地=ハンガリーとなってますが、起源には諸説あるみたい。
歴史のあるブドウで、栽培地域はハンガリー、ルーマニアやブルガリアなど。
熟成に向くしっかりしたブドウですがテーブルワインにも使われるそう。
クロアチア・Kutjevo Grasevina 2018
ブドウ品種 :Grasevina (Welschriesling)
価格 :15CAD
ややしっかりボディなワイン。
苦味と独特なオイリーさが特徴的で甘味と酸味も感じます。
熟したグレープフルーツのようで、ちょっと若いアプリコットのような。
ブドウ品種・Grasevinaとはなんぞやと調べてみました。
するとWelschriesling=ウェルシュ・リースリングという別名が出てきました。
これはドイツ語圏の呼び方で、日本でも一般的にこの名前が使われています。
イタリアではリースリング・イタリコという名前だそう。
北イタリアが原産地と考えられているようです。
ルーマニア・Eticheta Galbena 2017
ブドウ品種 :Feteasca Neagra
価格 :13CAD
ふんわり優しい中甘口の赤。
甘酸っぱいラズベリージュースのような味わいです。
渋みはほぼ皆無、しっかり冷やしても美味しそう。
高い糖度のためか劣化もゆっくりで、開栓4日目でも美味しかったです。
このワインに使われているブドウ
Feteasca Neagra = 黒い乙女
は、なんと2000年以上前から栽培されている品種だそうです。
現在のルーマニアでの栽培面積を調べるとなんとかトップ10入りしてました。
歴史ある土着品種、なくならないで欲しいです。
ジョージア・Mildiani KINDZMARAULI Semi-Sweet RED 2016
ブドウ品種 :Saperavi
価格 :14CAD
世界最古のワイン産地として有名なジョージア。
もはや日本人にとって珍しいワインではないかもしれません…!
渋味と酸味の穏やかな中甘口赤ワイン。
濃いベリー系フルーツの風味とシルキーな口当たりで、甘いの苦手ですがスルスル飲めました。
8000年も前からワイン造りをしていたという世界最古のワイン生産国の一つ、ジョージア。
このワインに使われてるSaperaviはジョージアの土着品種・生産量1位のブドウです。
日本でもちょっと高級なスーパーに行くと、独特な陶器ボトルに入ったサペラヴィの赤ワインが買えますよね。
渋味、酸味、果実味とどれも強くて優秀なブドウだそう。
赤・ロゼ・辛口から甘口まで幅広く使われています.
セルビア・Navip Muscat Ottonel 2015
ブドウ品種 :Muscat Ottonel
価格 :10CAD
甘味は感じるけど渋みや苦み酸味もしっかりあり、引き締まっています。
マスカット系のワインにしては甘さ控えめで、ヴィンテージが古いからかとても落ち着いてました。
このMuscat Ottonelは東南ヨーロッパでは甘口ワインに、ハンガリーとかアルザスでは辛口ワインに使われるそうです。
モンテネグロ Plantaze Monte Cheval Vranac 2015
ブドウ品種 :Vranac
価格 :11CAD
世界史を学んでいない私は正直、モンテネグロって国の名前なの?という知識レベルでした。
Wikiによると2006年に独立した国で、それまではユーゴスラビア連邦の一部であったりセルビア・モンテネグロという国だったりした歴史があるそう。
人口は60万人ちょっと…世界で163位。
このワインに使われているVranacはモンテネグロの主要な黒ブドウで、全ブドウ生産量の半分がこのVranacだそう。
ワインの感想は、とにかく枯れ感がすごく埃っぽくて飲み切れませんでした…!
(私がカナダ滞在中、唯一破棄したワイン…!)
ブショネ(コルク汚染)なのかも分からないくらい埃臭かったのですが、
自信をもってお勧めします!とか、絶対また買う!とか、
他の人のレビューを見てみたら結構良いコメントが書かれています。
諦めずにもう一本買ってみればよかった…!
ギリシャ・Retsina Malamatina
ブドウ品種 :不明
価格 :6CAD(500mlボトル)
これはギリシャのフレーバードワイン、レツィーナ。
松脂(まつやに)が風味づけに使われる個性的なワインです。
味わいはドライで、酸味が強め。
風味は確かに松の実を噛んだ時のような独特のオイリーさがあります。
2000年以上の歴史があるワインスタイルです。
まだ密閉できる瓶がなかった時代にワインが酸素で劣化してしまうのを防ぐ目的で松脂が使われていたそうです。
時代は進み松脂がなくても問題のない容器が開発され、松脂は必要なくなりました。
しかしこの松脂フレーバーの人気は根強く、今日までこの松脂ワインが生き残っています。
また最近ではコーラで割って飲むギリシャの若者が増えているという情報も…
白ワインと松脂とコーラて…どんな味になるんだろう…
イスラエル・Zion Dolev Cabernet Sauvignon
ブドウ品種 :Cabernet Sauvignon
価格 :20CAD
Kosher(コーシャ)という言葉の存在ををカナダで知りました。
イスラム教のハラルに似たもので、ユダヤ教のルールに沿って作られた食べ物や飲み物がKosherと名乗って良いそうです。
このイスラエルワインもその一つらしくKosherコーナーに並んでいました。
開けたては硬くていまいちでしたが、
2日目にはライトなのに深みのある不思議な味わいに変貌。
苦味と渋みが強めで、青みのあるフレーバーが楽しめる綺麗なカベルネソーヴィニョンでした。
Kosherのワイン造りは圧搾から瓶詰めまでユダヤ教信者の男性のみが携わっていいそうです。
また使って良い醸造器具やその扱いにも色々ルールがあるみたい。
ちなみに全てのイスラエルワインがKosherというわけではありません。
ハンガリー・GARAMVARI MUSCAT 2017
ブドウ品種 :MUSCAT
価格 :12CAD
カナダは独自のアイスワインがあるからかあまりトカイのワインは見かけず普通の赤白が数種類売られています。
折り紙みたいなラベルに妙に気をひかれました。
普段はマスカット100%を買わないのですが(甘すぎて)
これは残糖度がそんなに高くなかった&ハンガリーワインへの興味で買ってみました。
その感想は…超マスカット!
マスカットのワインほど、
僕の原材料はブドウです!
て主張してくるワインってないよな~としみじみ思います。
フルーティでほの苦くて程よく甘い。
ちょい甘が好きならおすすめです。
まとめ
宗教や歴史など色んな理由で独特な味や造りのルールがあるんですね~調べていて勉強になりました。
ヨーロッパだけでも20以上の国がワインを造っているようで、ワインの世界は果てしないです!
でもそれが楽しい!!
今はメキシコで毎日メキシコワインを飲んでいます…いつかこれもまとめようと思います。